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経営幹部が語るNEXT 100[座談会]

 大正から昭和、平成、令和と新たな時代を迎えてきた明治鋼業はいつの時代も先人たちの思いを引き継ぎ、後世に託しながら100年の時を刻んできました。次の100年に向かって新たな一歩を踏み出す上で改めて大切にしていきたいものとは何か。
 井上雄太専務取締役、佐藤友己彦取締役、山本剛取締役の経営幹部3人がこれからの明治鋼業を語ります。

Member

  • 井上 雄太専務取締役
    (現 代表取締役社長)
    2012年 4月 入社
    2017年12月 取締役就任
    2019年12月 現職
    趣味:ゴルフ・旅行
  • 佐藤 友己彦取締役/総務経理部部長
    兼 システム部部長
    1993年 4月 入社
    2018年12月 取締役就任(現職)
    趣味:ゴルフ・ドライブ
  • 山本 剛取締役/営業部部長
    栃木営業所管掌
    1990年 4月 入社
    2019年12月 取締役就任(現職)
    趣味:ゴルフ・音楽鑑賞
座談会写真

井上山本さんは営業部、佐藤さんは総務経理部・システム部の担当役員として、明治鋼業の経営に携わっています。入社から今日までのキャリアを簡単に教えてください。

佐藤私は30代で不動産業界から転職し、明治鋼業に入社しました。半年間、浦安第三工場での現場研修や配車業務を経験してから、希望していた総務経理部に配属されました。2年目からは販売管理や会計などのシステム保守・運用にも携わり、現在は総務経理部とシステム部の部長を務め、人事も管掌しています。

山本私は高校卒業と同時に入社しました。まだ若かったので現場で2年間経験を積んでから営業に配属され、主にユーザーのお客さまを担当する部署に配属されました。現在は営業部と栃木営業所を管掌しています。

井上二人とも先代の晃社長の時代から明治鋼業を支えてきてくれていますが、これまでの仕事の中で印象に残っていることを教えてください。

山本なかなか一つに絞るのは難しいですが、一つは若い頃から大きな仕事を任せてもらえたことでしょうか。最初に営業に配属された際、自分自身がまだ二十代前半だったにもかかわらず、仕入先の商社さんと拡販戦略を一緒に考えたり、大きい商談を任せてもらえたりしたので、非常にやりがいを感じましたね。

井上たしかにスケールの大きい、ダイナミックな仕事が多いのは鉄鋼業界や建設業界ならではの魅力ですね。

山本近年だと、アライ技研のグループ会社化や栃木営業所の立ち上げなど、当社の新たなチャレンジにプロジェクトリーダーとして貢献できたことも貴重な経験でした。

山本 剛

井上佐藤さんはどうでしょうか。

佐藤私は直属の上司をはじめ、たくさんの方々に助けてもらい、人との出会いに恵まれてきたなと感じています。過去に病気で半年間、入院したことがあるのですが、その時も『仕事のことは気にしなくていいから、ちゃんと治るまでゆっくりしていなさい』と上司から温かい言葉をかけていただき、言葉では言い尽くせないほど感謝しました。

山本上司との思い出といえば、私も若い頃から裁量を持って仕事に臨めたのは当時の上司が背中を押してくれたおかげです。若手のうちはいくら自分がアイデアを出して、新しいことに取り組もうと思っても、会社によってはなかなか任されるチャンスが巡ってこなかったりすると思いますが、その上司は『出張費がかかってもいいから頑張ってこい』と言ってくれて、おかげで北信越や九州にも出張し、販路を広げることができました。

佐藤 友己彦

井上お二人のエピソードにもあるような社員がのびのびと働ける組織風土というのは伝統的に受け継がれてきたと聞いており、そこには当社の生い立ちも少なからず影響しています。当社は西山伝平商店から分離独立して発足したわけですが、最初は問屋さんへの卸売りが主要な販売でしたので、人と人とのつながりが商売に直結していました。そのため会社に仕入れ先や販売先との関係性、信用・信頼を重視する企業文化が醸成されていったのではと考えられます。

佐藤総務や人事の仕事を通して全社を見ていて、当社には営業だけでなく、どの部署にも社員を大切にしようとする雰囲気があります。今でこそ『人的資本経営』という言葉がありますが、当社は昔から自然とその資質が備わっていたように思えますし、それができていたから会社が100年続いてきたのかなと感じます。だからこそ、先人たちが築いてくれた組織風土や企業文化を次の100年にどう引き継いでいくかは当社にとって重要なテーマになると思っています。

井上当社の歴史は挑戦の歴史でもありますが、新しいことに挑戦する際は用意周到に準備し、“小さく始めて大きく育てる”ことを意識してきました。むやみに会社の規模を大きくするようなことはせず、堅実経営を貫いてきたため、事業や財務の基盤が安定し、そのおかげで社員にも必要以上に厳しくせずに今日までこられたというのもあります。

山本財務内容の良さは間違いなく当社の強みになっていて、経営判断の速さにも生かされています。特に設備投資をする際の判断の速さは私が自分で提案しておきながら、『本当にいいんですか』と驚いてしまうほどで、必要不可欠な投資であるとわかったら、1~2日で決めてしまうこともあります。過去に機械メーカーから展示機の購入を打診された時は1億円近い金額だったにもかかわらず、即日で機関決定したこともありました。

佐藤先代は『会社は大きさじゃない。中身だ』とよくおっしゃられていました。財務内容の良さはお取引先さまからの信用にもつながっています。ただ、採用の面ではなかなか学生さんに良さがわかってもらえないというもどかしさもあります。特に高校生は会社の知名度やブランドで就職先を探す傾向にありますので、当社の人を大切にする組織風土もそうですが、伝わりにくい魅力をどう伝えていくかは今後の課題ですね。

井上われわれの事業は鉄を売るにしても加工するにしても、そこに人がいることで成り立っています。今後も若い人に入ってきてもらい、円滑に世代交代を進めていくためにも、工場をはじめ、省力化できるところは省力化して、業務全般でDX(デジタルトランスフォーメーション)も推進するなど、社員の負担を軽くする取り組みに力を入れていこうと考えています。

佐藤ヒト、モノ、カネ、情報が経営資源とよくいわれますが、人事を担当していて、最初の『ヒト』が一番大事であるとつくづく感じています。当社にはやる気に満ちた社員、仕事熱心な社員が揃っているので、能力や特長をさらに引き出し、頑張りにも報いられるよう人事考課制度をより充実したものに整えていきたいと思っています。

井上 雄太

山本以前から中途入社の方も少なくなかったですが、近年は廃業した会社から転職してきた人も数名います。今後も後継者不在や経営悪化などの理由でやむなく会社をたたむといったことが業界の構造的に増えてくると思いますので、引き続き業界内で働きたいという意欲のある方の受け皿になれたら、業界にとってもプラスになるのではないでしょうか。

井上つまり、これからも明治鋼業が『人を大切にしていくことは変わらないが、どう大切にしていくかのプロセスを時代に合ったものに変えていく』ということになりますね。

山本当社は鋼板を加工・販売するコイルセンター、デッキ・軽量形鋼などのフォーミング、アライ技研が手掛ける板金加工の三つの事業を展開し、幅広い商材を取り扱っていますので、製造業と建設業のお客さまであれば、必ず何かのお役に立てるといった提案営業のしやすさも一種の働きやすさといえるかもしれません。

座談会写真

井上アライ技研がグループに加わったことで、提案営業の幅はさらに広がりましたね。

山本明治鋼業とのシナジーを拡大する余地はまだまだありそうです。アライ技研が60年余りの歴史で培った技術やノウハウを生かしていくことが明治鋼業の役割であり、両社が一体となって新たな市場を切り拓いていきたいと思っています。

井上お客さまとのコラボレーションによる商品開発事例もフォーミング事業を中心に増えており、新たな板金加工との組み合わせも含め、今後の展開が楽しみです。これからもお客さまとのつながりや継続性に重きを置いて、誠実な商売を心掛けていくことが私たちの使命だと考えています。100年で積み重ねてきた信頼や機能をさらにブラッシュアップし、お客さまに価値を提供できる明治鋼業であり続けることを目指していきましょう。

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